ゆきや
(ディレクター)
椎咲雛樹
(原画担当)
沖水ミル
(シナリオ担当)

「BIFRONTE 〜公界島奇譚〜」も発売してもうすぐ二週間です。
感想もあらかた出揃った頃ということで、今日は原画家の椎咲雛樹さんと
シナリオライターの沖水ミルさんの対談の席を用意しました。

それではまず原画担当の椎咲雛樹さんの自己紹介から

こんにちわ、椎咲雛樹(しいざきひなき)です。
今回ブランドLAPIS BLUe.第一弾企画「BIFRONTE〜公界島奇譚〜」
の原画担当としてお招きいただきました。
昨年、フリーになったばかりのひよっ子絵描きですが、
なんだかんだでもう一年になります。フリーの絵描きに転職してからしばらく
はイラストや塗りなどの仕事をしていましたので、原画家としては
この「BIFRONTE〜公界島奇譚〜」がはじめてのお仕事になります。
さらにブランドLAPIS BLUe.の第一弾作品という事もあって、
何か運命の出会いを感じました。

不束者ですが、以後お見知りおきの程よろしくお願い致します(笑。

次はシナリオ担当の沖水ミルさんの紹介です。
どうもこんにちは。シナリオの沖水ミルです。
ブルーゲイルに所属してから二年くらいになりますが、
それ以前は、まぁ、色々やっておりました。
今回の『BIFRONTE』はブランドデビュー作である上に題材が
題材でしたので、個人的に非常に難産なシナリオでした。
いつも全力投球が信条ですので、どうか以後、お見知りおきを(深くお辞儀)。
自己紹介ありがとうございます。
司会進行を勤めるのはディレクターのゆきやです。
よろしくお願いします。
長い開発期間でしたが、企画そのものが椎咲好みの世界観でもありましたので、
夢中で作品に向かっていた為か、あっという間にマスターアップを
迎えた気がしています(笑。
実際、長いようで短かった気がしますね(笑

それでは実際の開発中のお話をしていきましょう。

作業開始時点で物語のプロット・字コンテ、CGの指示書や資料な
どが完璧に揃っていた(当たり前の事だが過去に例のないくらい完
璧!)お蔭ですが、担当としてはこれはかなり助かりました。
その御蔭もあり、初期のキャラクターデザインを進めるにあたって
意外とすんなりイメージが作られましたね。リテイクもイメージ調整程度で、
ほぼファーストイメージのままです。
利麿がファーストイメージではかなり渋めのキャラで描かれています。
椎咲の勘違いで金田一耕助というキーワードから島の謎を解き明かす探偵の様な
役なのかなと思って(すごい勘違いw)描いたビジュアルだったの
で胡散臭いけどかっこいいイメージで作られました。

まぁ提出したらそっこうリテイクだった訳ですが(笑。
個人的には初期案もリテイクされた案も味のあるキャラが出来たので好きですね。

利麿は物語中の性格と初期ビジュアルの凛々しさだとあまりにも…
たしかリテイク出したときの指示は、もっと胡散臭く具体的に言うと
丸メガネとかみたいな指示を出しました(笑
ちょうどラフ原画集が作られるみたいですので、その辺りのビジュ
アルはラフ原画集で見る事ができるのかな?…という事で掲載され
るかわかりませんがお楽しみにしていてくださいね(笑。
もちろん各キャラの初期ラフは原画集に入れてます。
凛々しい利麿を楽しみにしていて下さい。

その後、立ち絵の作業も終わり劇中のシーン作成に入ります。
このビフロンテは通常シーンにかなり力が入っていて、ちょっとした
シーンにも絵が割り当てられています。
この業界に入った頃から、通常シーンも大事にした作品を手懸けたいと思っていたので、
ノリノリで作画していきました。
今思えば原画担当としてのイメージ提案等も取り入れてくださるなど、
原画作業のやり易いように配慮していただけて、
構図も椎咲感覚で描けた事が嬉しかったです。
そりゃもう不安になるくらいビジュアル面はかなり自由に描かせて
いただきましたね(笑。

各担当がのびのび作業できるように頑張ろうが私の目標だったので、
こう言ってもらえると大変嬉しいですね。
初ディレクターとしてはさじ加減がわからなくていろいろな迷惑を
かけてしまった気がしますが(苦笑

それでは、次に沖水さんの感想を

結構疲れました(笑)。去年は『BIFRONTE』の他にも二作品シナリオに
携わっていたので、自分のコンディションを維持するのになかなか
苦労した一年でした。
『BIFRONTE』はシナリオ重視の作品でしたので、とにかく下手な
ものだけは絶対に出せない、そういう気概を持って執筆に取り組みました。
また、書くのと平行して一度決めたプロットに疑念を覚え、
何度も変更した覚えがあります。要するに、構成が気に喰わなかったんですね(笑)。
それぞれのキャラの過去であったり背景であったりを如何にして絡み合わせ、
物語のテーマに収束させていくか……ここがちゃんとが決まらないと
ライティング作業を進められないので、本当に何度も頭を捻りました。
特に箱の設定に関しては脱稿寸前まで迷っていたような気がします。
いつだったか、会社からの帰り道で「これだ!」というのを思いついて、
慌てて家に帰ってメモしたような記憶が……(笑)。

私が仕事終わって帰り道のコンビニで立ち読みしている最中に電話が来て
ここをこうすればさらに良くなるという提案があったような(笑
他にも恵衣の母親の設定や菜緒ルートの終わらせ方に関しては、最後の最後の
まで迷っていたような……。菜緒……なんとかして救ってやれないかなぁと(笑)。
とにもかくにも、なんとか完成させられてよかったです。でも、できれば
もっと書きたかったですね。主人公とヒロインたちの「その後」は自分でも
大変気になるところですので、なんらかの形で補完していければいいなぁ。
お二方ありがとうございます。
それでは次に「お気に入りのCG」とかありますか?

お気に入りのCGと言われると、原画を描いた立場ですので全部〜!
…と言いたい所ですが、特に気に入ってるシーンを上げてみると。

若菜ルートの最後、崩れた地下に閉じ込められた草一郎と若菜が、
もうこれまでか…と絶望している所に現れる桜の一枚絵です。原画
を描いている時はそうでもなかったのですが淡く塗られたCGがあ
のタイミングで出てきた瞬間に涙が出ましたね(笑。

あと、菜緒ルートで見られる屍の上に脚を組んで座っている女王様
菜緒ちゃんの表情が椎咲的にかなり好みに描けました。この子の全
てがこのシーンに凝縮されています(笑。

それから、菜緒と教団をバイクに乗って脱走する主人公の絵が気に
入っています。バイクとかメカニックを描くのも好きなのでノリノ
リでした(笑。そうそう、このシーンの後、菜緒がバイクに乗って
去っていくシーンがあるのですが……はっ!突然記憶が!?

椎咲さんの絵柄は大好きですので、本音を言えば全部お気に入りなのですが、
中でもこれが一押し的なモノを挙げるとしたら……やはり主人公と菜緒がバイクに
乗って逃げるCGでしょうか。個人的に一番迫力のある構図だったと思いますので。
後、教祖の演説のアップ(笑)。本当にこれしかないという、素晴らしい表情
だったと思います(笑)。
二人のお気に入りを上げてもらいましたが、
どんなCGだったかなー、どういうCGなのか気になるという方は
実際にプレイして見て下さい。

それではついでに「お気に入りのシーン」もお願いします。
んー…概ね上と同様になりますが…、あえて別のシーンを挙げるし
たら、ビフロンテ開始直後のChapter1、桜と草一郎の恋の行方、
そしてChapter2開始後彰登場のシーンがあるのですがそのシーンの桜ですね。
メモ帳で意思の疎通を図る草一郎に対して嬉しそうにしている桜は見ていてとても切なくなります。
桜の姿を発見して何とかしなくちゃと右往左往してる
いつもクールな草一郎のかわいい一面が見れるシーンでもあります(笑。
若菜が運転手を滅多刺しにするシーン……ですね。身近な親しい人が
突然狂って人を殺すという絶望的な状況にも関わらず、自分は微動だにできない
という……なんというか本当にやりきれない場面です。しかも、その横では
桜が死んでいたという……。こういう「何もできなかった自分」的な
シチュエーションは大好きなので(笑)、かなり気合を入れて書いたように
記憶しています。
それでは、好きなシーンと被っている気もしますが
「好きなエンド」はありますか?
もちろん桜エンド(※ゲーム中エンド名「失ったモノと返ってきたモノ」)ですっっ!!桜〜好きだー!!……。
とまぁ、桜ひいきで言っていますが、このエンドはかなり複雑な気
持ちで迎えるエンディングなんですよね〜。決して手放しで喜べな
いエンディングではありますが、個人的に押しちゃいます(笑。
若菜エンドです。(※ゲーム中エンド名「桜散る季節」)
数あるヒロインエンドの中で、ある意味、一番その後を想像させられるエンドだったと思いますので。
今週、来週、と自分でも気になる「その後」を描いた短編がweb上にアップされますので、
本編をクリアした方もそうでない方も、是非ご一読頂ければ……と。
私は「わたしはだぁれだ?」です。
ホラーとして王道じゃないですか?
主人公が鈍感だからこそのこのエンド
見事に意見が割れましたね(笑
それでは、質問の内容はこれで終了なので
最後に一言ずつお願いします。

さて…ここまでネタバレギリギリのつまらない事を言ってる椎咲で
すが、私にとっても思い入れのある作品ですので、まだプレイして
いない方は是非プレイしてみてくださいね!
女性キャラも男性キャラも妥協せずにデザインしましたので、彼ら
が生きているビフロンテの世界観をお楽しみ下さいませ〜♪

それでは、またお会いできる日を楽しみにしたいと思います!

まとまりのないことをべらべら喋ってしまったような気がしますが、
今後とも『BIFRONTE』をどうぞよろしくお願いします。

さて、これで対談というかインタビューのような物は終了になります。
椎咲さん、沖水さんありがとうございます。
最後まで読んでくれた、あなたにも感謝を。

この対談で、すでにBIFRONTEをプレイされた方も
これからプレイしようと思っている方も楽しんで頂ければ幸いです。

またお会いできる時を楽しみにしています。